映画「それでもボクはやってない」周防正行監督ティーチイン付き

周防正行監督最新作『それでもボクはやってない』の関西最速試写会に行ってきた。
この日は映画上映後に周防正行監督がステージに登場し、約40分間のティーチインが行なわれました。
そこで監督が語ったことも、とても興味深い内容でしたので、今回は監督の話を交えつつ書いていきたいと思います。
うわぁ~~~ディープやわ~~~。
観終わってまず思ったのはその一言。
痴漢冤罪事件の刑事裁判をテーマにした今作は、裁判の様子が大半を占め、上映時間も2時間23分もあるが、私は全く白目にならなかった。
この映画を制作することになったきっかけは4年前、ある男性が一度有罪の判決を受けながら控訴し、その後逆転無罪を勝ち取ったという痴漢冤罪事件の記事を監督自身が偶然新聞で見かけたのが始まりだそうです。
(ちなみにその冤罪事件は「お父さんはやってない」という本になり、太田出版より発売されています。監督曰く「この映画よりもえげつない実情が書かれているので興味のある方は読んでみて下さい」とのことでした。)
「普段裁判などには縁の無い人が裁判で戦う」ということははどういうことなのか。
監督は取材を進め、また色々な事件の裁判の傍聴を200回ぐらいしていくうちに、日本の刑事裁判の不条理さ(←監督は「不条理」という言葉では表現していませんでしたが)に怒りと憤りを感じ、「これは撮らねばならない。伝えねばならない。」という使命に駆られたそうです。
この映画の主人公は26歳のフリーターの青年。
ある会社に面接に行くために乗った電車で女子高生に痴漢と間違われ、身柄を拘束されるところからスタートする。
監督曰く、主人公がもしサラリーマンのおじさんだったら年代的にはリアルだが、そうすると家族や会社など絡んでくる背景が多くなり、家族愛が前面に出てしまったりするので、それでは「刑事裁判」というメインテーマから外れていってしまうので、極力余計なものは省くようにしていったらこういう主人公の設定になったとのこと。
監督のこれまでの作品には「素人、頑張る」というのが一貫しており、相撲にしてもダンスにしても、その世界に縁のなかった人たちが頑張る姿に観ている人が共感したり楽しくなったりというのがあったのだが、今回の作品は「(無罪を主張するために)頑張らざるを得ない状況を作ったのは裁判にオカシな点があるからで、そのことにまず怒りを覚えた。だから今回は『楽しい作品にしよう』とか『イイ映画にしよう』という気持ちはなく、とにかく怒りが先にあった」とおっしゃっていました。
「『疑わしきは罰せず』という言葉があるが、実際の裁判では疑わしきは罰しまくっている」と、沢山の裁判の傍聴をしてきた監督は言います。
そして実際の裁判では、特に文章を読むときにはすごい早口らしく、裁判用語が分からないという以前にまず何を言ってるのか分からないほど早口だそうです。
もし自分が何かの事件に巻き込まれて裁判になったら、とにかく分からないことは「それは何ですか」「どういうことですか」と、裁判官に聞きまくれとおっしゃっていました。
「もし監督がこの主人公だったら、自分がやったことにして罰金払って保釈されるか、あるいは最後まで法廷で戦うか、どちらを選びますか?」という観客の質問に対し、監督は
「僕だったら絶対に戦います。そしてその工程を映画にします(笑)。でも自分がもしサラリーマンとか一般の生活をしている人だったら・・・悩むと思います。」
との回答でした。
確かに難しいところだと思います。
そして私がこの作品を観て思ったのは、
やってもいない罪を認めるわけにはいかない、しかし一歩見方を変えれば、大事な面接に履歴書を忘れたり、自分の前に女性が乗っていることにも気付かずに紛らわしい乗り方をしたり、この主人公の気の緩みが見えてくる。
そんな普段からの気の緩みや気遣いのなさが、「疑われても仕方がない」と思われる原因にもなるということ。
そういう意味でも考えさせられる作品でした。
というわけで、5段階評価で表す場合
私の評価は ★★★★★ (満点)
裁判の様子が分かるだけでも勉強になるし、「楽しい作品にしよう」と思わずに作ったにもかかわらず結果的にとてもおもしろい(興味深い)作品に仕上がっていて、とにかく一度ご覧になることをオススメします。
誘ってくれたリエツィンに感謝です☆
(2006.12.19 リサイタルホールでの試写会にて鑑賞)
◆それでもボクはやってない◆公式HP
監督・脚本:周防正行
出演:加瀬亮、役所広司、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこ、
尾美としのり、田中哲司、光石研、小日向文世 他
上映時間: 2時間23分
1月20日(土)ロードショー
次回の映画記事は『僕は妹に恋をする』(試写会)、『幸せのちから』(試写会)、『世界最速のインディアン』(試写会)。
【お知らせ】
現在多忙のためコメントの返信ができない場合があります。
何卒ご了承くださいm(_ _)m
(TBはさせていただいております。)
【お知らせ・2】
ここ数ヶ月「皆さんからのTBが入らない」(あるいは時間帯によって入りにくい)という状態が続いています。
複数の方からご指摘をいただいており、せっかくTBくださったのに反映されていない方々には心苦しく思っております。
1/21(日)にこの件に関してニフティに原因の解明と改善を求めるべく、問合わせのメールを送りました。
回答は後日になると思いますが、また皆さんにご報告したいと思いますので今後とも宜しくお願い致します。m(_ _)m
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コメント
いもさん☆
法廷もの好きだし、周防監督なので観るつもりだったので
いもさんが白目にならなかったと冒頭だけ読んで安心しました!(笑)
観たらまたきますね☆
今外から書いてまーす。
リンク、ウチのmacからじゃなければ見られました~
ありがとう♪^^)
投稿: mig | 2007/01/09 15:28
migさん、こんばんは!コメント有難うございます(^^)
滅多に満点を出さないのですが、今回は監督の熱意と怒りが伝わってきて、
本当に見入ってしまいました。
ご覧になられたらまたレビューを楽しみにしています(^^)
話は変わりますがmigさんはmacをお使いだったんですねー!
私の友人でmacを使っている子も「コメントが文字化けして見えない」と
言っていたので、macとniftyブログサーバーの相性とか
あるのかも知れないですね。
TBが反映されなかったりご迷惑をおかけしていますが
今後とも宜しくお願い致しますm(_ _)m
投稿: いも→migさん | 2007/01/13 00:07
いもさん、TBありがとうございます。
いもさんの行かれた試写会は監督のティーチイン付きとは映画を深く鑑賞できて良いですね。
私はCOCOLOGブロガー対象の名古屋試写会に行ってきました。
今回はいろいろ考えさせられる映画ですね。
投稿: ぐらん | 2007/01/13 07:32
ぐらんさん、こんばんは!コメント有難うございます(^^)
本当にいろいろ考えさせられる映画でしたよね。
監督が「見終わったあとに(この映画について)きっと語り合いたくなると思う。
だから何度でも見て、何度も語り合って下さい(笑)」
とおっしゃっていたのですが、そのときは「確かに語り合いたくなるけど、
2回以上見るのはちょっとヘヴィかなぁ(^^;」って内心思ったんですね。
でも不思議なもので、試写会で見てからもうすぐ1ヶ月が経つのですが、
今は「また見たい」という気持ちになっています。(笑)
本来ならこちらからコメントすべきところを、
風邪をひいていて不調のため出来なくて申し訳ないですm(_ _)m
また寄らせていただきますので、本年も宜しくお願い致します。
投稿: いも→ぐらんさん | 2007/01/14 23:12
こんばんは。
>『疑わしきは罰せず』という言葉があるが、実際の裁判では疑わしきは罰しまくっている
ですねぇ。
でも、これは視点の問題からかな?とも取れますね。
今までの作品は、被害者側の作品ばかりでしたから。
15歳の少女にしてみれば、もし無罪にされてしまったら、正に「疑わしきは罰せず」という憤りで死にたくなるでしょうしね。
私もアレコレ考えながら見ていたら、時間がちっとも気になりませんでした。
投稿: たいむ | 2007/01/20 19:50
いもさん、こんにちは。
ご無沙汰しています。実はずっとお邪魔しているのですが、
以前は平気でTBが届いたのに、ここ数ヶ月全く届かなくなりました。
何作もの作品で試したのですが、「今回も届きません」とばかりコメントするのもなぁ…と
一応試すだけ試して、そのまま帰ってました。
今回も、今度こそ、と思ったのですが、やはり難しいようです。
また、これからも読み逃げのようなことが続くかもしれませんが、
どうかお許しを…
TB、ありがとうございました。
投稿: 悠雅 | 2007/01/21 08:03
いもさん、
みてきました!
白目にならなかった!(笑
TBができないみたいです。。(泣
投稿: mig | 2007/01/21 12:10
>たいむさん
こんばんは。コメント有難うございます!
私もあの女子高生の立場だったら・・・と、女性としてまずそれを考えました。
やっとの思いで勇気を出した少女の告発を無にするのも酷だし・・・。
そしてほかにも色んな登場人物の立場に立って考えさせられる作品でしたね。
また寄らせていただきますね。
>悠雅さん
こんばんは。コメント有難うございます!
TBの件、何度もトライしてくださったのにこのような状態が続いており、
お手間を取らせてしまってスミマセン。m(_ _)m
そして今回コメントをいただいたことを心から感謝いたします。
「TBが入らない」というご指摘を複数の方からいただくようになったのが
昨年の11月中旬頃からだったのですが、その後ココログ(ニフティのブログ)が
何度かサーバーメンテナンスを行い、そのたびに「改善されるのでは」と期待
していましたが、先週のメンテでも改善されていないことが、いただいた
コメントからも分かりましたので、今日の夕方ついにココログの問合せ先に、
ほかの方々からのTBが入らない状態が続いている旨のメールを出しました。
回答があるのはまだ先だと思いますが、
原因の究明と改善がされることを願っています。
また逆にこちらからコメントを残すことが出来なくて申し訳ありません。
TBさせていただいた方の記事はしっかりと拝見させていただいているのですが、
このところ多忙と体調不良を繰り返す日々が続いていて
なかなかコメントを残すことが出来ないのですが、どうかお気を悪くなさらずに
これからも宜しくお願い致します。m(_ _)m
>migさん
こんばんは!コメント有難うございます☆
やっぱり白目になりませんでしたよねー?(笑)
裁判モノでありながら観客に分かりやすい描き方で問いかけるというのは
スゴイなと思いました。
TBの件、お手数をおかけしていてスミマセンm(_ _)m
今日ニフティの問合せ先にメールで直訴しました。
これで改善されることを本当に願います。。
ニフティからの回答はまだ先になると思いますが、
また報告の記事を書こうと思いますので今後とも宜しくお願いします☆
投稿: いも→皆さん | 2007/01/21 22:36