映画「ワールド・トレード・センター」

映画『ワールド・トレード・センター』の試写会に行った。
まず冒頭に「これは9.11にワールド・トレード・センターから生還した2人の警察官の実話に基づく」というようなテロップが出る。
なので観客は、生き埋めになった2人が最後に助かるのかどうかとハラハラしながら見るわけではない。
最初から2人が助かることが分かっているから。
だからネタバレというネタバレは無いのでスボリ書くが、ラスト付近に
「9.11に人間が見せたもの・・・それは悪もあったが、助け合う姿もあった。その支え合って生きる人間本来の姿を語り継いでいきたいと思う」といったセリフがあり、この作品が伝えたいものはその言葉に集約されていると思う。
それはもしそのセリフが無かったとしても、観客には充分伝わるだろう。
映画としては驚くような展開があるわけでもなく、割と淡々としている。
WTCに飛行機が激突し、ビルに残された人々を救助するために港湾局警察官たちが現場へ向かう。
しかしビルの内部へ入って間もなく建物が崩壊し、彼らは瓦礫の下敷きに。
マクローリン(ニコラス・ケイジ)とヒメノ(マイケル・ペーニャ)は体を瓦礫に挟まれて身動きがとれないものの生きていた。
助けが来ることを信じ、声を掛け合いながら励まし合う2人。
一方2人の妻たちは、連絡の取れない夫の身を案じて不安な時を過ごしていた・・・。
とまぁこんな感じだが、テロ自体がどうだとか犯人がどうだとかそういうのは一切出てこない。
主に描かれているのは生き埋めになった2人の警察官が救出されるまでと、その家族の思い。
瓦礫に挟まれ身動きの取れない中、すぐそばで同僚たちが死んでいく姿を見るのはどれほど辛い思いだっただろう。
孤独と絶望感の中で過ごす時間は本人達にとって永遠に近いほど長く感じられたのではないだろうか。
あの日犠牲になった何千もの人々の中の2人にスポットを当てることで、他の犠牲者ひとりひとりにも本人や家族の思いがあったのだということを改めて感じさせられる。
個人的には家族側のちょっとしたシーンも印象的だった。
例えばヒメノの妻が「夫は死んだ」と思いながら薬局に行く場面。
薬局に着いてからのふとした動作や、帰り道での行動。
そしてマクローリンの妻が病院の待合室で偶然近くにいた黒人の女性と交わす会話etc。
そういうのがリアルで印象に残っている。
というわけで、5段階評価で表す場合
私の評価は ★★★☆ (3つ半)
映画としては星3つと言いたいところですが、「支え合って生きる人間本来の姿を語り継いでいきたい」という思いは伝わってきたので、+0.5にしました。
先日9月11日にTBS系列で放送された筑紫哲也さん司会の9.11追悼特別番組を見て、WTCから生還した人たちの証言で、他の人を助けるために逃げ遅れて犠牲になった方々のことが紹介されていて、その番組を見ながら何度も涙したことを思い出しました。
(9/20 大阪厚生年金会館大ホールでの試写会にて鑑賞)
◆ワールド・トレード・センター◆公式HP
原題:WORLD TRADE CENTER
原案ストーリー:ジョン&ドナ・マクローリン AND ウィリアム&アリソン・ヒメノ
脚本:アンドレア・バーロフ
製作:マイケル・シャンバーグ
監督:オリバー・ストーン
出演:ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャ、マギー・ギレンホール、
マリア・ベロ、ジェイ・ヘルナンデス 他
上映時間: 2時間8分
10月7日(土)ロードショー
次回の映画記事は『フラガール』。
【お知らせ】
現在多忙のためコメントの返信が出来ない場合があります。
何卒ご了承くださいm(_ _)m
(TBはさせていただいております。)
| 固定リンク

コメント
こんばんは。
弊ブログへのトラックバック、ありがとうございました。
こちらからもコメントとトラックバックのお返しを失礼致します。
この作品は、実際に被害に遭われたジョン・マクローリンさんとウィル・ヒメノさん、そしてお二人を取り巻く方達を丁寧に描く事により、ポール・グリーングラス監督作品の映画『 ユナイテッド93 ( UNITED 93 ) 』 ( ‘06年 アメリカ )とはまた違った想いが湧く作品に仕上がっていたと思います。
また遊びに来させて頂きます。
ではまた。
投稿: たろ | 2006/09/26 00:50
TBありがとうございました。
静かな中の2人の会話が耳に残っています。
こういうことがあってはならない・・という
教訓だと思いました。
投稿: arisu | 2006/09/26 01:50
いもさん、こんにちは★
自分のPCからはコメントかけないので
他のところから書いてマス。
けっこう淡々としてましたねー。
マギーギレンホールがあまり好きじゃないのと、
ちょっと二つの家族に焦点絞りすぎだな。。。
という感じがどうも、、でした。
でもニコラスの押さえた演技良かったですよね。
投稿: mig | 2006/09/27 17:33
オリバー・ストーン監督もニューヨーク出身なので、この映画にかける思いは強かったでしょうね。
TBありがとうございました。
投稿: trichoptera | 2006/09/27 22:31
>たろさん
こんばんは。コメント有難うございます。
『ユナイテッド93』とはまた全然違う視点から描いていて、
これはこれでまた感慨深い作品でしたね。
また寄らせていただきます。
>arisuさん
こんばんは。コメント有難うございます。
お互い眠らないように会話をするシーンは淡々としつつもリアルでしたね。
また寄らせていただきます。
>migさん
こんばんは♪コメント有難うございます!
この作品が伝えたかったことに賛同して星3つ半にしましたが、
正直途中白目になったこともしばしばでした(^^;
また寄らせていただきますネ。
>trichopteraさん
こんばんは。コメント有難うございます。
オリバー・ストーン監督はNY出身なんですかー!
すると監督にとってこの作品を撮ることは必然だったのかも知れないですね。
また寄らせていただきます。
投稿: いも→皆さん | 2006/10/02 01:22
こんにちわ&TBいつもお世話になってます。
2時間9分、見ている私も一緒に瓦礫の下に埋まっているような圧迫感が拭えない映画でした。まだ5年しかたってないのに、もう映画化とは…アメリカという国はほんとうにスゴイ国です、いろんな意味で…(苦笑)
投稿: Boh | 2006/10/06 11:15
いもさん。こんばんは。
本日、封切りで観て来ました。
私は、映画には「入る」ほうなのですが、この際「スボリ」
いいますと、この映画の筋は、別に9.11テロでなくても
良かったんじゃないかと思っています。それで、いまひとつ
感情移入ができなかったのです。
ニコラス・ケイジ、マイケル・ペーニャの熱演ぶりには
賞賛しますが、オリバー節が利いていませんでした。。
彼の映画の中で、いちばんメッセージが捉えにくい
作品となってしまいました。現実の記録が訴える
もののほうが強くココロに残ります。
投稿: 朱色会 | 2006/10/08 00:12
**************************
多忙のためコメントの返信が遅れておりますm(_ _)m
**************************
>Bohさん
こんばんは。コメント有難うございます!
瓦礫の下のシーンは確かに圧迫感がありましたね。
自分も砂埃を吸っているような感覚になりました。
アメリカは色んな意味でショービジネス社会ですね(笑)
また寄らせていただきます。
>朱色会さん
こんばんは。コメント有難うございます!
> この際「スボリ」
うはは!指摘されるまで気付きませんでした。スボリ(笑)
オモロイからこのままにしといたろ。←直せよ
そうですか、朱色会さんはいまひとつ感情移入できませんでしたかー。
私もそんなに感情移入するほどではなかったのですが、
言いたいことは伝わってきたので(もしラストのあのセリフが無かったとしても)、
この評価にしました。
皆さんのレビューを拝見させていただくと「オリバー・ストーン作品としてどうか」
を書かれてる方がさすがに多いのですが、実は私オリバー・ストーン作品って
今までろくに観たことないんですよ(^^;
作品リストを調べてみたら、まともに観たことがあるのは
『ミッドナイト・エクスプレス』(監督としてではなく脚本?)だけのような。
また寄らせていただきますね。
投稿: いも→皆さん | 2006/10/12 01:18
いもさん、こんにちは!
「男は仕事、女は子育て」みたいな家族の描き方に「?」でした。
私はまったく泣かなかったのですが
映画館ではすすり泣いてる人があちこちにいました。
>「支え合って生きる人間本来の姿を語り継いでいきたい」という思いは伝わってきた
確かにそうでしたね!わかりやすい映画だったと思います。
投稿: あさこ | 2006/10/12 13:47
いもさん、こんばんは。
最初から最後までなんだかずっと泣きっぱなしだったのですが(涙腺が弱いんで・・^^;)
テロとか犯人とか、そういったものが出てこなかったからかもしれません。
感動した、とは違うんですけど。
投稿: たいむ | 2006/10/12 19:04
**************************
多忙のためコメントの返信が遅れておりますm(_ _)m
**************************
>あさこさん
こんばんは!コメント返信が遅くなりスミマセンm(_ _)m
私もこの映画では泣かなかったのですが、
別の試写会で観た友人は泣きっぱなしだったそうです。
結構淡々とした作品でしたよね。ほんと分かりやすい映画でした。
また寄らせていただきますネ。
>たいむさん
こんばんは。コメント有難うございます!
テロとか犯人とか、誰が悪いとか戦争がどうとか、そういうのを排除して
人間らしいテーマを明確にしたところが個人的には良かったと思います。
また寄らせていただきますね。
投稿: いも→皆さん | 2006/10/17 23:53